ペーパー空間で作業をしていたり、頻繁にペーパー空間の切替をしていると、エラーが発生する確率が高くなる。

前回はそんな内容の話をしてみました。

何度も実際の仕事で経験がありますけど、時にはどうやっても保存していなかったデータを取り戻せない場合があります。

現実を受け入れることが出来ない、というのはまさにそのような場面で使う言葉なのだと思います。

そんな状況を自分から進んで味わう必要はないので、出来るだけ自分の身を守っておくことをお勧めします。

自分から進んで味わおうとしなくても、長いこと仕事でオートキャド(AutoCAD)を使っていれば、いつかは味わう時がやって来ますから。

と、そんな不吉なことをここで書かなくても良いか……

エラーが発生するのはオートキャド(AutoCAD)側の都合で、残念ながらこちらでコントロールすることは出来ません。

なので、予想外にエラーが発生する状況になっても、それほど影響が出ないようにしておく、というのがこちらで出来る唯一のことです。

では具体的にどんなことが出来るのか、というあたりの話を今回はしてみたいと思います。


■結局話は単純

長々と話をしてきましたが、エラーによる強制終了に対してこちらが出来ることは、結局「こまめに保存すること」しかありません。

それが出来てさえいれば、突然やってくるエラーでも、影響はそれほど大きくなりませんから。

これがまずは基本の考え方になります。

そして「こまめに保存する」をもう少し具体的に考えていくと、比較的エラーが出やすい操作の前に保存しておく、という結論が出ます。

こまめに保存と言っても1分おきに保存していたら、逆に作業の効率はあまり良いとは言えません。

だからと言って2時間に1回の保存では、エラーが発生した時の影響が大きすぎるので、その中間というかバランスが大事になってきます。

そうすると、もちろん10分おきに保存というルールを作るのも良いですけど、どんな操作をする前に保存をするかを考えるのも有効です。

エラーが発生しやすい作業の前、つまりペーパー空間に切り替える前などに保存をするというのも、ひとつの考え方ではないかと思います。

 

■保存は簡単に出来る

オートキャド(AutoCAD)では、作業中の図面を保存するコマンドは「QSAVE」に設定されています。

当然ボタンも用意されていて、クリックするだけで図面データは現在の状態に保存されます。

ショートカットキーでは、デフォルトで「Ctrl+S」に設定されているので、かなり押しやすい組み合わせになっています。

これにかかる手間というのは、もう本当に1秒とか2秒という世界で、ほとんど作業の邪魔になるような操作ではありません。

しかしその操作を怠ると、後でかなり痛い目をみることに。

もちろん図面を作図している時はそれに集中しているので、面倒だから保存を忘れたとかとはちょっと違うんですけど。

エラーが発生した後で悔やむというのは良くある話ですし、私も今まで何度も経験してきたことでもあります。

しかし、こまめに保存をしていたおかげでエラーが出ても助かった、という状況はそれ以上に経験しています。

と言うことで……

結局ありきたりな結論でしかありませんが、ペーパー空間に切り替える前に必ず保存をしておく。

これこそが自分のデータを守るもっとも簡単な方法なので、今からそうした習慣をつけておくことをお勧めします。