今まで長々とオートキャド(AutoCAD)を使って図面を描く仕事について書いてきました。

これらの話は、私が仕事をしている環境で感じていることなので、業種や環境が違うと全然話が違うこともあると思います。

また、紙に描かれた図面があって、それを単純にCADで写す「トレース」と呼ばれる仕事もあります。

そうした仕事でオートキャド(AutoCAD)を使う側に求められるものは、恐らくまた少し違ったものになるはずです。

トレースに求められるのは、単純なスピードと正確さだけで、内容についての知識はあまり必要とされません。

ただ、昔あった手描きの図面をCADデータ化する、という仕事がずっと存在し続けるのか。

それを考えると、CADデータのやりとりが一般的になった昨今では、あまり要望がなくなっていく方向ではないかと思います。

まあ先の事は誰にも分かりませんので、ここで私が決めつけるようなことを言うのはおかしな話ですけれど。

そろそろ雑談も終わりにして、当サイトの本題であるペーパー空間とビューポートの話に戻りたいと思います。

最後に、今まで書いたことを簡単にまとめて終わりにします。


■簡単なまとめ

オートキャド(AutoCAD)を使って図面を描く、という仕事をしている方に求められること。

もちろん色々な項目があると思いますが、大まかには以下の点が挙げられるのではないかと私は思っています。

・図面の品質

・納品までのスピード

・要望に沿った図面

相手が望む種類の図面を、間違いがなく見やすい状態で、相手が望む期限までにきちんと作図する。

これがオートキャド(AutoCAD)のプロに求められる、とてもシンプルな項目です。

 

■まずは平均を目指す

逆に考えてみると、これらの項目をきちんと満たしてさえいれば、プロとして一定の評価を得ることが出来るとも言えます。

サラッと「満たしてさえいれば」と言う程、それは簡単なことではありませんが、話としてはそうなりますよね。

また、上記の内のひとつでも大きく欠けてしまえば、それ以外の2点の水準がはるかに高くても評価されない、ということも書いておきます。

例えば、図面の出来は非常に良くて、相手の要望にもしっかり応えた図面を描いているのに、一週間遅れて提出されたとか。

欲しい日の2日前には図面が出来ていて、欲しい情報もきちんと記載されているけれど、間違いが多い図面とか。

間違いのない図面をきっちり1日前に送ってくれたけど、もっと細かい情報も欲しかった、とか。

ひとつでも欠けていると、せっかくの努力が報われなくなってしまう可能性が高い、ということに。

これでは仕事として勿体なさすぎます。

納期ギリギリで送られて来て、図面の間違いは1ヶ所だけあって、何とか必要な情報も載っている。

こうした全て平均的な方が評価されやすいので、まずは全て平均を目指すことをお勧めします。

相手の評価を気にして計算をするような、ちょっとセコイ話になっている気もしますけど、相手からの評価はプロとして大事にしないといけません。

相手が喜ぶような仕事をするのがプロですから、そこに注目するのは決して悪いことではないと思いますよ。