作図する図面の種類にもよりますが、モデル空間に全体を作図していき部分的にペーパー空間で抜き出して表示、という手法は非常に有効です。
この機能がないと、私が作図している分野の図面は成り立たなくなってしまうのではないか、と思ってしまうくらい重要な機能になっています。
ただし、ビューポートをたくさん使って抜き出しすぎると、ペーパー空間の切り替えに時間がかかりすぎるようになる。
こうした注意点について今まで簡単に説明をしてきました。
これは実際に仕事で急いでいるシーンを経験すると、もう一瞬で「そういうことかぁ」と納得すると思います。
私は色々と経験あります。
例えばプロジェクターにオートキャド(AutoCAD)の画面を写し、何かしらの解説をしながら操作をする時とか。
そうしたシーンでペーパー空間に間違って切り替えてしまい、2分くらい何も画面が動かない状態になったら……
なんとも気まずい時間が流れてイヤですよね。
それを結構偉い人が集まった場でやってしまうと、なおさら変な汗が出てくること間違いなしだと思います。
■CADのテクが不要な瞬間
そうした場を切り抜ける為には、もうオートキャド(AutoCAD)のテクニックなんて必要ありません。
必要なのはもう会話の上手さだけ。
そんな状況で、「こういうことが結構あるので、やっぱり仕事に使うパソコンは高スペックが良いんです」とか。
偉い人がいる前でそう言えれば良いんですけどね。
まあ実際にはそうしたセリフをサラッと違和感なく言うのは難しいもので、大抵の場合は「おかしいな……」とか言いながらひたすら待つことになります。
私個人としては時々ある話なので、思い出すとまた汗が出てきそうです。
さて、話を元に戻すと、ビューポートの数が増えていくに従って、ペーパー空間への画面切り替えが手間になっていくという話でした。
■単純な解決方法もある
この問題を解決する一番簡単な方法は、ひとつのペーパー空間に配置するビューポートの数を出来るだけ減らすこと。
非常に単純な理屈ですね。
ビューポートの数が多くなればなるほど時間がかかるのであれば、その数をあまり増やさないようにする、という考え方です。
しかし実際に図面を描いてみると分かりますが、図面の表現として最低限必要なビューポートの数というのはあります。
それを超えて少なくするのは結構難しい……
というか、あまり現実的な話ではなくなってしまいお勧めすることも出来ない、が正直なところです。
その場合、次に考えるべきことは、オートキャド(AutoCAD)とは直接関係のない部分になります。
要するに高スペックのパソコン導入を検討すること。
ただ、先程も少しだけ触れましたが、これについては個人でどうこう出来るレベルの話ではない場合がほとんどです。
なので手段としては有効ではあるんですけど、なかなか今すぐに実行、という訳にはいかない部分ですね。
それ以外の具体的な解決方法、オートキャド(AutoCAD)の中でどうするかのテクニックもいろいろとあります。
そのあたりの詳しいCAD的な話については、もう少し後のカテゴリでたっぷり取り上げることにします。
ここではもう少しだけ、ビューポートを使って図面をまとめる際に出てくる問題点について説明をしていきます。