ペーパー空間とビューポートを使って図面を構成すると、自分以外の人がデータを開いた時に分かりにくくなる。

そんな問題点に対して、出来るだけ分かりやすくするという目的で、幾つかのやり方を紹介しました。

非印刷レイヤーでコメントを入れたり、レイヤーの管理を分かりやすくするというのは、それほど高度なやり方という訳ではありません。

でも、これをやるのとやらないのとでは、データの分かりやすさが大きく違ってきてしまうのが現実です。

簡単なやり方で少しでも分かりやすくなるのであれば、少しの手間をかける価値はあるのではないでしょうか。

これはあくまでも私が良いと思っているやり方で、他にもやり方は色々あるかも知れません。

ただ、色々なやり方はあるにしても「データを見る人がスムーズに内容を理解出来るように」という思いが根底にあります。

この思いが根底にあるのであれば、後はオートキャド(AutoCAD)のプロがそれぞれ工夫をしていけば良いと思います。

それが自分のやり方と違っているデータでも、データを開けば恐らくそうした思いは伝わるものですから。

さて、次に取り上げたいのは「ビューポートの数を増やすと表示に時間がかかるようになる」という問題の解決方法です。

これは結構シンプルになるかも知れませんけど、知っておいて損はない知識ではないかと思います。


■基本をおさらい

まず基本的な部分から確認していきます。

モデル空間からペーパー空間に移動した際は、図面の再作図を「ビューポートの数だけ」行うようになっています。

モデル空間で作業している時にはそれほど感じないのに、ペーパー空間で作業をするとやけに時間がかかってしまう。

そう感じている方は、恐らくペーパー空間内にたくさんのビューポートが配置されているはずです。

例えばビューポートが20ヶ所配置されていた場合には、単純にモデル空間で再作図する場合の20倍の時間がかかる計算になります。

もちろんそんな単純な話ではない可能性もありますけど、少なくともそれに近い程度の時間がかかるのは事実です。

それならば、ペーパー空間の表示に時間がかからないようにするには、一体どうすれば良いのか?

その答えは非常にシンプルで「ペーパー空間をむやみに増やさない」という話になります。

 

■少なくするのは分かるけど

ただし、話はそれほどシンプルでは済みません。

ビューポートの多さが問題だったら、ここに配置してあるビューポートを2つくらい消してしまうか……

そんな乱暴な意見が通る訳もなく、実際に仕事をしている中でそれを実現するのは結構難しいものです。

まあこれは当たり前の話で、不必要な情報であれば最初からビューポートを使って図面に表示などしませんよね。

そこに表示してある以上、そのビューポートは図面に必要な情報、ということになります。

必要な情報を消すことによって、オートキャド(AutoCAD)の表示速度を向上させ、作業効率を高める。

これは本末転倒というかなんというか、思いっきり間抜けな話で、当然当サイトでお勧め出来るような話ではありません。

ではどうすれば良いのか、というあたりの話は次回に続きます。