モデル空間に作図した図面のどのあたりをビューポートで抜き出しているのか、そして縮尺はどの程度なのか。
そのあたりの情報がすぐに分かるよう、モデル空間ないに非印刷レイヤーでコメントを入れておく。
こうすることによって、データを渡した相手に少しでも自分の思惑を伝えることが出来るようになります。
印刷されないレイヤーに記入しているので、完成図面の邪魔をすることもなくどんどん書き込むことが出来ます。
どんなデータ構成にしているのかを相手に伝えにくい中で、この方法は地味ですが結構有効に使えます。
まあちょっとアナログ的なやり方ですけど……
しかし、これがあるのとないのとでは分かりやすさが大きく違うので、ぜひコメントを入れるようにすることをオススメします。
ただ、注意しておきたい点が2つほどあります。
今回はそのあたりの注意点について簡単に説明をしておこうと思います。
■他のCADでは印刷される
注意点のひとつは、非印刷レイヤーという概念がオートキャド(AutoCAD)特有のものである、ということ。
それのどこが問題なのかというと、ビューポートの問題点でも説明しましたが、他のCADにない概念は変換されないという問題があるんです。
つまり、dxfデータを経由して他のCADに変換した場合、そのコメントはそのまま印刷されてしまうことに。
CADデータの中にコメントが書いてあっても、「ああ、説明してくれてるんだ」と思って違和感はありません。
でも正式に印刷された図面の中にそうしたコメントがあるのと、ちょっと、というかかなり気になります。
大抵のコメントは目立つ(読んでもらえる)ように、通常の図面で使用する文字よりも大きめになっています。
それが図面の真ん中にどんと記入されているのを見て、しかもそれが自分で記入したコメントだったとしたら……
これは結構恥ずかしかったりします。
■読まれるかどうかが問題
コメントのもうひとつの問題点は、あまり長く説明をしすぎると誰も読んでくれないという点です。
自分がどう考えてデータを作成したかを説明しようとすると、ついつい詳しくて長い説明になってしまいがちです。
ですが、データを受け取った側の気持ちを考えると、それが必ずしも有難いとは言い切れない部分もあります。
図面を開いた時に、何やらオートキャド(AutoCAD)の画面上にコメントがビッシリと書かれていたとします。
そうすると「何か色々書いてあるけど、長いから読む気にならない」という感じになって、無視してしまうことが結構あります。
もちろんこのような説明書きは、少し手間でも読んだほうが良いというのは誰しもが分かっていることです。
でも、あまりにも細かい説明が長々とされていると、それが分かっていても読む気にはならないものです。
もっと簡潔な説明にして欲しいのに、というのが図面データを開いた側の正直な気持ちじゃないかと思います。
説明用のコメントは短く分かりやすく、そして読めるような状態で記入することが大事、ということですね。
前回例に出したくらいの情報でも、データを開く側は分かるものですから。