前回はビューポートのプロパティで、特に設定が必要だと思われる項目をピックアップしてみました。
設定の数はそこそこありますが、一般的な設定項目ばかりで、それほど難しい設定はありません。
と、内容を詳しく説明しないで「難しくないです」と言っても、そこには全く説得力がないですよね。
そのあたりを実感して頂く為にも、今回からはそれぞれの項目について、詳しい説明をしていこうと思います。
まずは一般的なプロパティの「色」からいってみましょう。
■色の設定
ビューポートというのは、ペーパー空間内に配置して、モデル空間を抜き出すという特殊な機能を持っています。
しかしそんなビューポートであっても、オブジェクトの設定としては通常の線分と特に変わりません。
閉じた多角形が1つのオブジェクトになっているあたりは、ポリラインに扱いが近いかも知れません。
つまり、一般的な線分と同じように色の設定をすることが出来て、その色によって印刷する際の太さが変わるということ。
まあここまで普通の設定であれば、特にビューポートだからと言って特別に説明することもないんですが……
基本的にビューポートというのは、ペーパー空間上にモデル空間を抜き出す「窓」的な役割を持った要素です。
そうした窓が印刷された図面で表示された方が良いのか。
そのあたりの問題がありますが、これについては次の項目である「画層」でもう少し考えてみることにします。
■画層の設定
これは色の設定と同じような話になりますが、これは「ビューポートをどの画層で作成するか」という設定です。
そしてこれも先程書きましたが、ビューポートというのは基本的に図面を構成する要素とは少し違うものです。
他の図面要素とは一線を画した異質な存在、というのがビューポートではないかと思っています。
だから、ビューポートの画層というのは、他の図面要素と一緒にしないというのが基本的な考え方になります。
図面というのは1本の線にもきちんと意味があって、その線が何を表現しているのかを分かるように描く、というルールがあります。
そうしたルールに沿って考えていくと、ビューポートの四角形というのは図面としては全く不要な線だということが分かってきます。
なぜなら先程も書いたように、ビューポートの四角形というのは、図面として何も意味していない線になるから。
そうすると、ビューポートは印刷しない補助線的な画層に設定しておくのが良い、ということになります。
■線種の設定
ビューポートに色の設定が出るということは、全く同じ考え方で、線種の設定をすることが可能……
ということにもなると思いきや、線種の設定を変えてもビューポートの見映えは全然変わりません。
いくら点線に設定をしても画面は実線のままになっていて、試しに印刷をしてみてもその結果は同じ。
だったらなぜ設定項目として残っているのか、という気もしますが、まあ設定できないものは仕方がありません。
そもそも非印刷画層に設定をするのが基本になる訳ですから、線種の設定もそれほど意味がないんですよね。
だからビューポートの線種設定については、特に気にしないというスタンスでOKだと思います。