ペーパー空間上にビューポートを配置しすぎると、画面切替にかなり時間がかかるようになってしまいます。
せっかくビューポートとペーパー空間という便利な機能を使っているのに、その機能のせいで時間がかかるのは非効率的ですよね。
便利な部分とそうでない部分を考えて、出来るだけ便利な部分が多くなるような使い方をする。
これがオートキャド(AutoCAD)のプロに求められるやり方ではないでしょうか。
前回はそんな話を取り上げました。
画面の切り替えに時間がかかる状況というのは、確かに仕事を効率的にこなす為には困ることです。
でもそれ以上に困るのが、オートキャド(AutoCAD)が不安定になってしまうという状態です。
ペーパー空間を利用するにあたっては、この注意点を頭に入れておかないと、後で結構痛い目に遭うことに。
今回はそのあたりの危険な話を、少し大げさかも知れないですけど説明してみたいと思います。
■エラーによる強制終了
最近は結構安定した動作をするようになりましたが、少し昔のオートキャド(AutoCAD)はエラーで落ちることが時々ありました。
そんなに頻繁に発生する訳じゃないんですけど、ここぞという肝心な時に落ちたりすることも。
まあこれは単純に私の運が悪いだけの話なんですけど……
「フェータルエラー」と聞いてドキッとする方は、その昔エラー終了に悩まされた方かも知れません。
何の前触れもなく発生するこうしたエラーは、仕事の手戻りという何とも非効率的な状況を生み出します。
しかしそうした時間的なロスよりも大きいのが、作図者の心をへし折ってしまうことなんです。
今まで作図した図面のデータが1時間前に戻ってしまうとか、午前中に集中して修正した内容が保存されていないとか。
そういう状況に直面した直後に、もう一度同じ気持ちで同じ作業を出来るかというと、なかなかこれが難しい訳です。
2回目の作図は確かに1回目よりも早いんですけど、もう終わっていたはずの作業をもう一度やるというのは、少なくとも楽しい作業ではありません。
■リスクを回避する為に
なぜこうしたエラーの話をしたのかというと、ペーパー空間の切り替えとかビューポートの作成などの操作はエラーが出やすいからです。
1つのペーパー空間にビューポートをたくさん配置すると、表示に時間がかかるようになってしまいます。
この話は前回にも話をしましたが、時間がかかるだけならまだしも、途中で止まってしまう場合も時にはあるんです。
もちろんビューポートを増やしたから必ずエラーが出るという訳じゃないですけど、可能性が高まることは間違いないです。
なので、仕事の効率とリスク回避を考えて、出来るだけビューポートの数は少なめに抑えることをお勧めします。
とは言っても、図面をまとめる事が目的ですから、ビューポートの数を極端に減らすことも難しい。
このあたりを考えると、ペーパー空間への画面切り替えにはある程度のリスクがついて回る、ということになります。
そんな訳で……
当サイトがお勧めするのは、ペーパー空間の編集とか画面切り替えなどの操作をする際には、事前にデータ保存をしておくこと。
これさえ徹底しておけば、エラーで強制終了という最悪の結果になったとしても、ダメージはほとんどゼロになりますから。