モデル空間だけで図面を完結させようとした時に、図面を分割する必要があるとちょっと大変です。

何が大変なのかというと、図面枠をそれぞれの図面で表示させなければならない、という点が挙げられます。

図面枠さえなければ問題なくモデル空間で完結するのに……という前に、そもそも図面枠って何なのか。

前回の話はそんな感じでしたが、図面枠のイメージを説明しただけで終わってしまったので、今回はその続きです。


■どんな情報を記載するか

正式な図面には図面枠が必須になる。

これは前回説明をして、図面枠とはどんなものなのか、というイメージのについても例を挙げました。

だけど、当たり前の話ですが、単純に用紙の内側に線を引くだけでは図面枠とは言えません。

そこに記載されている情報があって始めて、それが図面枠として認識されることになるんです。

図面枠の中にはどういった情報を盛り込めば良いのかというと、大体以下のような情報になります。

・企業名

・プロジェクト名

・図面のタイトル

・図面の縮尺

・図面発行日

・図面番号

・必要に応じて印鑑(印座)

要するに、その図面がどんな種類の図面なのかを見る側に伝える、という目的で図面枠が存在します。

用紙を囲むとか図面の下にあるとか右にあるとか、そういう些細なことが問題じゃなく、記載する情報こそが何よりも重要なんです。

 

■図面枠がない場合を考える

図面枠が重要だという話を先ほどしましたが、仮に図面枠がない状態だとどうなるかを考えてみましょう。

図面枠がない状態だと、それがどの部分の図面なのか、どのプロジェクトの図面なのかなどが、図面を見ただけでは分かりません。

見ただけでは分からないということは、余程そのプロジェクトに詳しい人じゃない限りは、恐らく永遠に分からないはずです。

例えば建物の図面であれば、それが2階の図面なのか、それとも4階の図面なのかなどが分からない状態。

これはどう考えても困るし、こうした話はフロアだけではなく、プロジェクトについても同じ話が言えます。

図面を見ても、それがどのプロジェクトの図面なのかが分からない状態だと、困るとかいうレベルの話じゃないですよね。

もちろんそのプロジェクトの担当者であれば分からないはずはないですけど、他の人は全然わからないはずです。

そして結局は、図面枠が記載されていない為にフロアを勘違いしたりして、それが原因で間違えが発生します。

そういう状況にならない為にも「この図面はどんな図面なのか」を表す図面枠は必須ということになります。

まあ正直なこと書くと、私の中で図面枠というのは図面と完全にセットになっているものという認識があります。

だから、図面枠が必須とかない場合はどうなってしまうのかとか、そういう想像をしたこともありませんでした。

図面を描く仕事を始めたときから、図面枠というのは必ず付けるものだと教わってきかから、図面枠を付けないという発想自体がないんですよね。