オートキャド(AutoCAD)を起動すると最初に見えるのが、モデル空間という場所。

そして、図面を作図していく最も基本的な場所になる、という話を前回は取り上げてみました。

まあこれはどんなCADでも持っている「作図する場所」ですから、特に違和感はないと思います。

ペーパー空間という概念さえなければ、わざわざ「モデル空間」と名付けられることもない場所でしょう。

他のCADではペーパー空間が無く、単純に作図をする場所が用意されている状態がほとんど。

それくらい当たり前の空間なので、別に難しく考える必要は全くなく、普通に作図をする場所という認識で充分です。

今回は補足として、モデル空間にはどんな特徴があるのか、という点を考えてみたいと思います。


■モデル空間の特徴

モデル空間は作図の為のスペースで、そこにはX方向・Y方向・Z方向の座標が与えられています。

原点(0,0,0)が存在して、そこから1ミリメートルを1という単位にして、無限に拡がる空間です。

座標は存在しますが、その座標軸の中でどこに作図するのかは、ユーザーの自由になっています。

もちろん物理的な限界はあると思いますが、作図対象をそのままのサイズで描くのに充分なスペースがあります。

宇宙を図面にしようとか思わない限り、というバカみたいな条件は付きますけど、普通の建物とかは余裕で作図できます。

そして、Z座標もある訳ですから当然ですけど、高さ方向の作図も出来るようになっています。

 

モデル空間で3D作図

 

これは X=100 Y=100 Z=500 という直方体を作図したところですが、こういう図形が簡単に描けます。

もちろん上記の大きさが1000倍くらい大きくても大丈夫。

この「作図上限も特になく、自由に線などを引いていくことが出来る空間」というのがモデル空間の大きな特徴です。

 

■モデル空間だけで完結は可能

私はオートキャド(AutoCAD)を使う際に、ペーパー空間を使った方が便利だと思っています。

だから当サイトではペーパー空間を取り上げる訳ですが、だからと言ってそれが必須という訳ではありません。

モデル空間に図面要素を作図していき、そのまわりに図面枠を配置して、モデル空間だけで図面を完結させてしまう。

そうしたやり方で作図をしても良いんです。

他のCADでは普通にそうやって作図をしている訳ですから、オートキャド(AutoCAD)にそれが出来ないはずはないですよね。

ただし、そうしてモデル空間だけで作図を完結させる為には、幾つかの条件が必要になってきます。

・図面枠の中に図面を全部収める

・違う縮尺の図面を並べる時はどれかに合わせる

・その結果、そのままの大きさで作図にならない場合もある

こうすればモデル空間で作図が完結しますよ、という話は逆に、その条件から外れたら厳しいですよ、という話になります。

モデル空間だけで図面を完結させるのが難しい条件は、まあ大体先ほど挙げてしまいあしたが、次回に詳しく説明をしていきます。